2021年ユマ的アニメ10選

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New ポケモンスナップ

1999年にニンテンドー64で発売された前作から22年ぶりの新作。レール上を自動で進行しながらポケモンの写真を撮り、生態を調査していくシステムはそのままに、ロケーションの幅、登場するポケモンの種類が格段に広がった。

ポケモンの生態というと、本編ではその一端が垣間見える程度で、実際に目の当たりにできることはほぼない。例えば「サンムーン」ではサニーゴを捕食するためヒドイデがバトルに乱入してくる、というのが仲間呼びで表現されていたけど、これはあくまでもシステム的な側面が大きかった。
しかし「New ポケモンスナップ」だと、実際にヒドイデサニーゴを襲っているではないか。

もちろんこれだけじゃない、袋(しっぽ)に餌を詰めるデリバードポケモンを海底に引きずり込もうとするプルリル、花に群がるアブリー。どれも知っていたけど初めて見る姿ばかり。
前作から22年という月日はとても長かったが、その分ありとあらゆるモチーフが詰め込まれた作品だった。

クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』~おわらない七日間の旅~

かつて「ぼくのなつやすみ」を手掛けたミレニアムキッチンが贈る最新作は、「ぼくのなつやすみ」をベースに、「クレヨンしんちゃん」のキャラクターをかけ合わせたアドベンチャーゲームだった。

ストーリーは「クレヨンしんちゃん」の映画を彷彿とさせる内容で、10日を過ぎたところでタイムリープ、1日目に戻ってしまう。
母みさえの故郷・熊本に10日間だけ帰郷するという設定ながら、この展開によって「ぼくのなつやすみ」と同じボリュームを担保していた。

美しい背景美術、日差しと効果音で夏の暑さを表現する様はさすがの一言。少しずつ行動できる範囲が広がり、そのたびにスクショを撮ってた。
クレヨンしんちゃん」と「ぼくのなつやすみ」の組み合わせがこんなにも牧歌的な空気を生み出してくれるとは。これはもはやエポックメイキングと言ってもいい。

ぼくのなつやすみ」との比較というと、登場する昆虫の数はかなり少なめ。まぁPSPで発売された「ぼくのなつやすみ4」から12年ぶりだもんな。このリハビリを経て、さらに凄いゲームを作ってほしい。

ヒットマン3

2017年から始まったステルスゲームヒットマン」リブートシリーズの3作目にして完結編。システム面はもはや完成していて語ることは難しい。3作目ともなると新鮮味を出すのは難しいが、そこを豊富なロケーションでカバーしていた。

ドバイの超高層ビルでの要人暗殺に始まり、ベルリンのクラブハウス、重慶の繁華街と研究施設、メンドーサのワイン工場。イングランドでは私立探偵に扮して事件を解決しながらターゲットに近づくという珍しいミッションもあった。

潜入のしかたも殺し方も実に多彩。変装もできれば裏口からこっそり入ることもできる。拳銃やナイフで強引に殺すこともできれば、毒を盛った食べ物へ誘導することも可能。巨大な箱庭の中には、ありとあらゆる可能性が隠されている。これはステルスゲームではなく、可能性を発見するゲームなのだ。

Tales of ARISE

第一印象は「普通のRPGになったな」だった。かつて格闘ゲームのようと言われていたバトルシステムは簡略化され、今では誰でも遊べるように。CGのクオリティや、単純に頭身が上がったせいだろうか、会話シーンのオタク臭さも過去に比べると鳴りを潜めた。まぁそれでも、キャラクターにミスマッチな会話もあったけど。

これは多くの人に、最大公約数的に受け入れられるために必要な変化だったと思う。このゲームに対する「普通のRPG」という評価は、僕は最大限の褒め言葉だと思っている。
普通というのはいつまでも変わらないことではない、時代によって変わること、変われることを指す言葉だ。

ちなみに本作のストーリーは中盤から終盤にかけて、ダイナミックな展開を見せる。バトルや育成といったシステム面が最大公約数で受け入れられるだけに、ストーリー展開だけが好みを分けるポイントだろうな。

フォルツァホライゾン5

もはや「マインクラフト」と並び、Microsoftの代名詞的作品だと思う。「マインクラフト」はMicrosoftの作品なのかという議論はさておいて。「Halo」にも「Gears」にもない力強さと安定感がある。

広大なオープンワールドの中に多彩なコースがあり、好きなようにレースを繰り広げていくドライビングゲーム。
メキシコをモチーフにしたマップは市街地から砂漠、山岳地帯に海岸線もレース会場に。15分以上かけて大陸を一周するレースは、本作の象徴と言えよう。

マニアックなマシンチューニングもできるけど、とりあえず一番数字の高いマシンを買っとけば問題ない大雑把なところも魅力だと思う。僕も含め、車に興味ある日本人ても薄くないからね。
レースに勝つだけでなく、写真を撮ったり、ジャンプの飛距離を競ったりと多彩なミッションがあるのも面白い。遊び心の数々は、オープンワールドのお約束を踏襲している。

ちなみにこのゲーム、僕はXBOX GAME PASSに加入してプレイした。1ヶ月目の価格は100円。そんな常軌を逸したコストパフォーマンスも、評価を高めた一因なのは間違いない。

twelve minutes

これもXBOX GAME PASSでプレイした作品であり、2021年を代表するインディーゲームだと思う。

「twelve minutes」はとある一室で起こる12分間の事件をひたすら繰り返していくアドベンチャーゲーム。1回目で得たヒントを頼りに2回目の行動を変え、さらに3回目、4回目と手法、切り口、目の付け所を変えていく。プレイヤーの行動に対するNPCのリアクションも多彩で、それがまたヒントになっていることも。
ある意味天井から見下ろす画面のすべてがヒントであり、それゆえめちゃくちゃ難しい。ヒントっぽいものが多すぎて、どこから手を付けていいのかわからないのだ。

そんな数あるヒントの中からベストの判断をして、ストーリーが進んだ瞬間のカタルシスは格別。ホラーゲーム顔負けの不気味な雰囲気も相まって、唯一無二のゲームに仕上がっている。

ウマ娘 プリティーダービー

2月に配信されてから10ヶ月、この10ヶ月はスマートフォンアプリの市場も自分の生活も、以前とまったく異なるものだった。

パワプロ」のサクセスそのままの育成は分かりやすい。サクセスをプレイしたことがある人なら、すぐにコツを掴めたはず。練習を失敗する確率との付き合い方とかね。
リリース当初は完凸前提のサポートカードややる気がすぐに下がるゲームシステム、全体的な更新の遅さが批判の的になったけど、それも昔の話。いわゆる凸アイテムの実装やバランス調整でどんどん良くなった。10ヶ月でこれだけできれば、十分に及第点だと思う。

なにより良かったのはレースの演出。巧みでなめらかな実況とカメラワーク。そしてすました顔のウマ娘も、いつも笑顔のウマ娘も、レースではみんな必死の形相になる。このゲームが面白いゲームで終わらず、すごいゲームとして見られるのは、この演出あってことだ。

メトロイドドレッド

僕が本格的にメトロイドヴァニアにはまったのはここ数年のこと。だからもちろん「メトロイド」シリーズをプレイするのもこれが初めて。

本来のメトロイドヴァニアは広大なマップを駆け回りヒントを見つけ、徐々に行動範囲を見つけていくという流れ。ときにはどこへ行けばいいか分からず右往左往することもある。
本作の場合は迷う瞬間がほとんどなかった。新しい武器を見つけると自然と新しいルートへと誘導され、また新たな障害にぶつかる。
ここまで自然に、流れるように誘導されるともはや「ゲームさせられてる感」はほぼ感じず、むしろストレスゼロのメトロイドヴァニア体験を提供してくれる。

そんな作品において大きな障害となるのがE.M.M.I.と呼ばれるロボット。特定のエリアに到達するとものすごいスピードで襲いかかってくる。
このE.M.M.I.からいかに逃げるか、メトロイドヴァニアの、というか横スクロールアクションの経験が試されている気がした。

NUTS

人里離れた森を舞台にした、リスの観察ゲーム。少ない色で表現された森の中でプレイヤーは複数のカメラを設置して、リスの動きを追跡する。
リスの動きは文字通り縦横無尽で、何度もカメラを設置し直して、さまざまな角度から森を捉える必要がある。3D空間を巧みに活かしたパズルゲームだ。

もうひとつの魅力はストーリーにある。はじめは単純にリスを追いかけるだけだが、やがてリスだけでなく、その裏にいる人間の影も…。
不穏なストーリーがどのように動いていくのか、そこにリスとプレイヤーはどう関わっていくのか。ちょっと異常で、異質なゲーム。音楽がほぼ存在せず、静かで不気味な雰囲気もとてもいい。


すばらしきこのせかい

ポケモンスナップ」から22年ぶりの新作、「ぼくのなつやすみ4」から12年ぶり、と久しぶりの新作が相次いだ2021年。これもまた久しぶり、ニンテンドーDSで発売された前作から14年ぶりの新作となった「新すばらしきこのせかい」は、間違いなく年間のベストと呼べる出来栄えだった。

前作は2画面、タッチパネルといったDSの特性を限りなく活かしていて、常に上下の画面を気にして、ボタンとタッチペンの両方を絶え間なく動かす、良い意味での忙しさが魅力のRPGだった。ひょっとしたら任天堂以上にハードを使いこなしているのでは、と思わせるほどの傑作だった。

だから普通のハードで発売されてしまっては、内容も普通になってしまうのでは、と思ってたけど、杞憂だった。
4つのボタンとLR、合計8個に割り振られる攻撃は前作にもあったバトルの忙しさを見事に再現。ゲームを進めると自然と攻撃のバリエーションも幅広くなるので、通常のバトルですら新たな発見の繰り返しだった。中には使いづらい“ハズレ”の攻撃もあるのだけど、それもまた発見の楽しさに置き換わるのだ。

ストーリーは前作を踏まえた上での集大成。勝手知ったるキャラクターが意外な形で登場するのは、これまで「すばらしきこのせかい」という作品を追い続け、待ち続けてきた人へのご褒美みたい。

渋谷の街の再現、その街に売られている食べ物で成長する独特のシステム、一戦ごとに難易度を細かく変えられる振れ幅の大きさ、シリーズを通して評判のいい音楽。よかったところを挙げるときりがない。「すばらしい」以外、このゲームを評価する言葉が見当たらない。

 

歴代ユマデミー賞一覧

2006:『ポケモン ダイヤモンド・パール
2007:『すばらしきこのせかい』『蒼い空のネオスフィア
2008:『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット
2009:『ようこそひつじ村ポータブル』
2010:『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
2011:『メルルのアトリエ~アーランドの錬金術士3~』
2012:『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園
2013:『グランド・セフト・オートV
2014:『DARK SOULSII』
2015:『ウィッチャー3』
2016:『ポケモンサンムーン』
2017:『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド
2018:『オクトパストラベラー』
2019:『SEKIRO』『ドラえもん のび太牧場物語
2020:『To The Moon』
2021:『新すばらしきこのせかい

2021年ユマ的アニメ10選

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ウマ娘 プリティーダービー Season 2

トウカイテイオーメジロマックイーンを中心にしつつ、ライスシャワーミホノブルボン、そしてカノープスの面々を好敵手として巧みに描いていた作品。主役は間違いなくトウカイテイオーだが、好敵手の力で際立った作品と言えよう。最終話のレース、僕が感情移入したのは間違いなくナイスネイチャのほうだった。

装甲娘戦機

2021年にもっとも驚きをもって迎えられたアニメ。サービスが終わりそうなゲームのアニメ化、キャラクターデザインにそぐわない緊張感のあるストーリー、だけど緊張感のないキャラクター。とても不安定な土台の上に成り立っていたアニメだけど、奇跡的に噛み合い、圧倒的な存在になっていた。クセは強いが、一年に一本あっていいアニメ。

のんのんびより のんすとっぷ

原作の最終巻と同じタイミングで放送されたシリーズ第3期。なんとなくアニメもこれで終わるんだろうなと、どこかうら寂しく見ていたのを思い出す。アニメはそんな寂しさを受け止めて、それでも進んでいく力強さがあった。

しおりやあかねといった新キャラクターは、れんげたちの成長を分かりやすくしてくれた。アニメで描かれていないところでも「のんのんびより」のキャラクターは確実に生き続け、確実に大人になっていったということ。それは同時に、アニメ第1期が始まってから8年も経ったことを痛感させられる。

無職転生異世界行ったら本気だす~

単純なクオリティという点では、2021年でも1、2位を争う作品だと思う。放送前は「"なろう系小説" "異世界転生系ラノベ"のパイオニア」という触れ込みが頻繁に使われたけど、なるほど大見得を切るのも納得の出来だ。

この世界にはたくさんの人、たくさんの種族がいる。だからルーデウスはいろいろな出会いと、別れを経験する。ドラマチックなものばかりでなく、割とあっさり分かれることも。それはつまり、この世界が途方もなく広いことの証左なのだろう。だからロキシーとの再会を果たせなかったのも、納得がいく。

スーパーカブ

カブに乗るというだけで『ゆるキャン△』フォロワーかと思ったら、主人公の女の子・小熊が想像以上にダウナーだった。そのおかげで『ゆるキャン△』どころか、他のどのアニメとも違う緊張感があった。

もちろんそれだけじゃない。小熊が笑った瞬間、幸せそうな瞬間に見せる表情のギャップは最高だし、礼子や椎を惹きつけるのも頷ける。

 

結局このアニメは、小熊の感情に左右される物語だった。小熊が成長するたびに彩度が上がり、色鮮やかになるのもそのせいだろう。

Vivy - Fluorite Eye’s Song-

AIとタイムリープ、テーマ自体はよくあるものだし、決して驚くような展開でもなかったけど、非常に丁寧に描いていた。特に序盤は2話でひとつのエピソードが完結する作りになっており、そのタイミングでの人間とAIの関係性がきっちり分かるようになっていた。なんだか1時間のテレビドラマを見ているよう。

 

時間の流れがとても重要な作品で、全13話に無駄がない。だからこそ、総集編として作られた第14話「To make everyone happy with my singing」もとてもすっきり見れる。

ラブライブ!スーパースター!!

どんどん良くなる「ラブライブ!」。初期の『ラブライブ!』『ラブライブ!サンシャイン!!』は理想を実現させるためのご都合主義が多く、キャラクターもどこか特別だった。

潮目が変わったのが『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』。アイドルという存在との付き合い方に変化が生まれ、グッと現実的になった。今回の『スーパースター!!』でもその路線は健在。どこかシニカルな主人公かのんも、感情的なセリフの中にもロジカルな一面を覗かせる可可も、現実が見えていて、それに抗っていた。アイドルというより、ロックだった。

takt op.Destiny

ぶっちゃけ今後配信されるスマートフォンアプリへの誘導というのが、少なからず至上命題としてあったはず。そんな制約を守りつつ、しっかりとロードムービーしたのが「takt op.Destiny」の凄さ。

そう、中盤のロードムービーっぽい作りにできたこと自体がまず凄いのだ。スマートフォンアプリのアニメ化というと、バトル、バトル、バトルの連続になりがち。本作もバトルが頻繁に発生するのは事実だが、そこに車での移動や街でのひとときを挟むことで、テンポを生み出していた。アプリの配信前にアニメを作れたことも含めて、しっかり二人三脚で作れたんだろうな。

かげきしょうじょ!!

この音とまれ!』といい、キングレコードは予期せぬところから一大青春抒情詩を生み出す。

劇団員の育成を目的とした「紅華歌劇音楽学校」を舞台に、トップスターを目指す歌劇少女たちの奮闘を描くこのアニメは、2021年最大の熱量で土曜の夜を華やかにした。

講義がそのまま熾烈な競争にもなる学校は辛いことばかり。でも悪いことばかりじゃない。第5話、男子禁制の寮で先生が見せた熱弁で、これはいいアニメだと確信した。

オッドタクシー

オリジナル作品であることの長所を活かした快作にして怪作。こういうのが生まれるからアニメは面白いんだと、胸張って言える傑作。

 

セイウチの姿をしたタクシードライバー・小戸川宏を中心に、都会の喧騒の中巻き起こる事件を描くサスペンス。

物語は小戸川のタクシーから描かれる。乗客の何気ない会話が事件に繋がり、やがて大きな渦になり、小戸川自身も巻き込まれる。

 

サスペンスであり群像劇であり、そして動物たちの物語でもある。目に見えるものすべてに意味がある。やたらクオリティの高いサウンドや声優陣の演技も含め、2021年を代表する作品のひとつ。

 

歴代ユマデミー賞一覧

2007:スケッチブック ~full color's~
2008:ARIA The ORIGINATION
2009:化物語
2010:神のみぞ知るセカイ
2011:魔法少女まどか☆マギカ
2012:人類は衰退しました
2013:てさぐれ! 部活もの
2014:SHIROBAKO
2015:落第騎士の英雄譚
2016:ガーリッシュナンバー
2017:月がきれい
2018:宇宙よりも遠い場所
2019:グランベルム
2020:邪神ちゃんドロップキック’
2021:オッドタクシー

 

2021年の取材記事

役作りのためにボクシングもはじめました―『セスタス』主演に抜擢された峯田大夢さんが思いを語る

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主人公のサラは恐れを知らない無邪気を持つ少女―Netflix『エデン』で初主演の高野麻里佳さんにインタビュー

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Netflixオリジナルアニメシリーズ『エデン』入江泰浩監督インタビュー ストーリーだけでなく、この世界の歴史まで緻密に映像化

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BanG Dream! Episode of Roselia Ⅰ:約束』先行上映会にRoseliaメンバーが集結。作中では今井リサの爪にも注目

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『装甲娘戦機』元永監督インタビュー 過酷な世界での“修学旅行”はいかにして作られたのか

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さよなら私のクラマー島袋美由利&若山詩音インタビュー 「エラシコってなんだろう」なれないサッカー用語に勉強の日々

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無職転生 ~ゲームになっても本気だす~』開発スタッフが語るIPタイトルの難しさとメリット 原作者監修の元、キャラクターを正しい方向で描けた

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『劇場編集版 かくしごと』後藤姫役・高橋李依さんにインタビュー。「無垢で無邪気な姫を目指しました」

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アニメ『呪術廻戦』企画展が渋谷でスタート 原画・絵コンテなどの資料を解説付きで展示、五条悟の等身大フィギュアも登場

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BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage』先行上映会が開催。アンコール楽曲では友希那と蘭がバトル

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『オッドタクシー』TVアニメ初監督の木下麦は、いかにして傑作サスペンスを生み出したのか 制作の過程に迫るインタビュー

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異世界美少女受肉おじさんと』原作・津留崎優氏インタビュー! 物語の着想はVRChatの「お砂糖」文化?

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異世界美少女受肉おじさんと』原作・池澤真氏インタビュー! 目指したのはみんなが見て「いいよね」と思えるデザイン

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異世界美少女受肉おじさんと』編集担当・吾田慎悟氏インタビュー! ファ美肉おじさん の文言で「これは行ける」と思った

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ウマ娘 3rd イベント」1日目をレポート! 「GIRLS’ LEGEND U」などゲームでもおなじみの楽曲を多数披露

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ウマ娘 3rd イベント」2日目をレポート! 「はちみーのうた」に「ぱかチューブっ!」テーマソングなど多彩な楽曲が展開

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異世界美少女受肉おじさんと』山井紗也香監督インタビュー! 神宮寺と橘の成長を描くための工夫とは

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NIGHT HEAD 2041』に詰め込んだのは現在と未来の「社会性」 脚本家・飯田譲治インタビュー

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ARIA The BENEDIZIONE』は最終章だけど、終わりじゃない――姫屋キャストとして作品に寄り添った斎藤千和皆川純子中原麻衣にインタビュー

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『Arcane』公開記念イベントで上坂すみれ小林ゆうが登壇。「LOL」ファンのケイン・コスギも交えて熱烈トーク

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『海賊王女』フェナ役・瀬戸麻沙美さんにインタビュー。髪を切るシーンは「作品を作る上で重要なことだった」

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アイドルマスター シンデレラガールズ』10周年を記念した企画展が11月19日よりスタート! 歴代ライブを思い出の衣装とともに振り返る

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この作品は見る人によって印象に残るシーンや、刺さる言葉が違う 『ブルーピリオド』峯田大夢さん、花守ゆみりさんにインタビュー

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TVアニメ『トライブナイン』完成披露会が開催 “野球だけど野球じゃない”異色の作品が誕生

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2020年にユマがハマったもの

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太田上田

 

2020年はなんといっても新型コロナウイルスウイルスの影響で在宅ワーク中心の生活になった。そうなると仕事中のBGMがほしくなって、たどり着いたのがこの番組。

爆笑問題の太田とくりぃむしちゅーの上田がフリートークする昔ながらの番組で、2人の知識と発想力のおかげで往年の「ガキの使い」級の楽しさがあった。

 

つまらない回を探すほうが難しいくらい全部楽しいのだけど、特に好きなのが劇団ひとりの回。これ以外にも三谷幸喜古坂大魔王等々…ゲストによって2人の反応が露骨に変わるのも面白い。

 

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ぎぞく、B!KZO

 

『マリオカート8DX』の発売から3年以上が経った今でも粛々と動画を作り続けるマリカ実況者たち。その多くが以前から活動を続けていたけど、僕が見始めたのは2020年からだった。

他にもたくさんいるけど僕が特によく見ているのはぎぞくとB!KZOの2人。ぎぞくはエンターテイメント色が強く、B!KZOはめちゃくちゃ強い。

 

別に『マリオカート8』に限った話ではないが、自分が知っているゲームで上手い人のプレイを見ると、まったく違うゲームに思えてくる。マリオカート実況者軍団と『テトリス』のあめみやたいようはそのいい例。

 

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呪術廻戦とチェンソーマン

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僕は基本的にコミックや小説を読まない。読まないけど『鬼滅の刃』で久しぶりにコミックにハマって、その流れで次に手を出したのが『呪術廻戦』と『チェンソーマン』。

 

『呪術廻戦』は『鬼滅の刃』のオルタナティブという感じで、ちょっとマニアックさがある。これだけだとヒットは難しそうだけど、実際のところかなり売れてるらしい。

マニアックさは『チェンソーマン』も負けてはいないが、こちらはキザで美しいセリフ周りも光る。

 

「隠し味は罪悪感」

天才だと思う。

 

ヨーダの映画情報局で紹介された映画

 

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 この人のチャンネルは昨年アベンジャーズにハマったときから見てたけど、この動画で紹介された映画は全部見た。正確には『メッセージ』は以前見ていたので、『グランドイリュージョン』『ザ・ギルティ』『マローボーン家の掟』の3作品。

 

ハリウッド的大作の中に仕掛けを盛り込んだ『グランドイリュージョン』、1人の男のドキュメンタリーでもある『ザ・ギルティ』、ホラーテイストの『マローボーン家の掟』と三者三様。

 

僕は映画に関しては受動的で、誰かがおすすめしてくれないとどれが良いのか分からない。だからこういうチャンネルは貴重だし、Twitterでもどんどん教えてほしい。

 

ちはやのマリオメーカー2

 

生きてりゃ1回は遊ぶし、誰でも遊べるマリオでとにかく研鑽を積む人物。僕が知らなかっただけで、動画投稿歴は10年、UUUMに所属しているらしい。

見ているとただゲームが上手いだけでなく、ひたすら繰り返し挑戦する土台があってこそなんだなと痛感する。

 

マリオカートもそうだけど、僕はまったく知らないゲームを教えてくれる人より、誰もが知ってるゲームで違いを見せてくれる人のほうが好きっぽい。

 

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 22/7 計算中

 

 

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一応以前から見ていたけど、それでもチャンネルを合わせていたくらいでそんなに熱中はしていなかった。アニメを見て、ようやくキャラクターと声優の名前が一致するようになったくらいだ。

 

本格的に見るようになったのはそのアニメからで、dアニメストアでの配信も相まって全部見た。案の定ほとんど覚えてなかった。

1年弱が経った今でも番組は「検算中」として続いている。メンバーは3Dモデルから、アイドル本人としての出演になった。番組としての模索は続くが、ファンにとって最適な居場所であることは変わらなそう。

 

グラッツェミーレのにんじんとゆずのドレッシング

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松乃家のにんじんドレッシングはガチ。でも僕は、実はドレッシングというものが基本的に嫌い。あの酸っぱさが嫌い。

だから酸っぱくない種類か、酸っぱさを超える美味しさを持ってるものしか食べたくない。松乃家のにんじんドレッシングはその両方をクリアしているのだ。

 

自宅で野菜食べるときはいつも苦労する。スーパーに置いてあるドレッシングなんて、普通は味見できないからね。

何度も失敗する中で、久しぶりに大当たりだったのがグラッツェミーレのにんじんとゆずのドレッシング。にんじんドレッシングという絶対の信頼を置く味に、ゆずの風味で酸っぱさを消している。これって完璧じゃない?

 

やっぱりにんじんドレッシングは凄い。

2020年ユマ的アニメ10選

 

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空挺ドラゴンズ

 

 

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テレビ放送と時を同じくしてNetflixで全話配信されたアニメ。最初は「せっかく配信されてるんだから見よう」くらいの気持ちだったけど、結局一気に全部見てしまった。

  

本作は、龍と呼ばれる生物が棲息する世界観を舞台に、龍を狩って生計を立てる「龍捕り」たちを描く群像劇。龍とのバトルも盛大に盛り込まれているけど、スピード感よりも雄大さを感じた。

 

龍捕りたちのキャラも立ってて、ただの脇役と思ってた奴らが意外と前に出てきたりする。ジローとカーチャのエピソードは特に良かった。じっくり描いた甲斐があった。

 

 

 

かくしごと

 

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 さよなら絶望先生』の久米田康治が原作を手掛ける作品。キャラクターデザインも『さよなら絶望先生』っぽさを意識していて、シンプルだけどみんなかわいい。後藤姫もかわいいけど特に墨田羅砂がいい。

  

娘に漫画家であることを隠し通そうとする父と、その娘の日常を描いた本作。漫画家稼業のところに絶望先生ライクなブラックユーモアを残しつつ、むしろメインは父娘の心温まるストーリー。いわゆる日常系にはとどまらない、クライマックスに向けた仕掛けも用意されていて驚きもあった。

 

邪神ちゃんドロップキック’

  

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時期的にはちょうと緊急事態宣言のタイミング、放送延期が相次ぐ中で『邪神ちゃんドロップキック’』はむしろアマプラで一挙に配信してくれた。邪神ちゃんが血中アニメ濃度の低下を防いでくれたのは間違いなく、実際僕は何回も見返した。

 

 邪神ちゃんとゆりねの関係を深く描いた第1期に対して、第2期ではぴのやぽぽろん、ぺこらといった天使側も大胆にフィーチャーされていた。第9話のぽぽろんはまさにその象徴。

波よ聞いてくれ

  

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札幌在住、スープカレー屋で働く鼓田ミナレがワケも分からずラジオDJデビュー。全12話かけてラジオにかける熱量を見せ続けた作品だった。

 

最初はどうやって楽しめばいいか分からなかったけど、1話を見返して冒頭の架空実況を改めて目の辺りにすると、自分もラジオの視聴者という立場になればいいのかと気づいた。それからは見方が一気に変わって、ミナレの一挙手一投足、ラジオ局の一挙手一投足が気になるようになった。

 

 

僕が特に印象的だったのがミナレの息遣い。別に編集できればいいのに、あえて息を吸う音、吐く音もすべてアニメの中に収められていた。間違いなく『波よ聞いてくれ』の世界で、鼓田ミナレは生きていた。

 

 

アクダマドライブ

 

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 ダンガンロンパ』の小高和剛が原案を務めたオリジナルアニメ。カントウとカンサイ、2つに分断された国を舞台に、犯罪者「アクダマ」たちのクライムアクションが描かれる。

 

ひょんなことから事件に巻き込まれ、自分もアクダマとみなされてしまった一般人のキャラクターが際立っていた。一般人は自身を詐欺師と偽りアクダマたちに付いていくが、最初は文字通りついていくだけ。でも徐々に成長し、いつしか本当の詐欺師と言えるくらいの存在になる。一般人の成長譚だと思う。

アサルトリリィ BOUQUET

 

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 オリジナル作品としてのストーリーやアクションもそこそこに、梨璃と夢結を基準に百合の距離感をフィーチャーした作品。距離感はいろいろだけど、梨璃と夢結以上、以下の線引きがあって面白かった。特に1話から近すぎる楓さんが。

 

5話「ヒスイカズラ」は夢結が梨璃の誕生日に向けてプレゼントを用意する、作中では異色の存在。戦いから離れて奔走する夢結と田舎の情景は『そにアニ』第7話を彷彿とさせる、2020年屈指のエピソードだ。

 

 

アサルトリリィは舞台に始まり今回のアニメ、そしてゲームも控えている。会心の出来だったアニメもまだ女装の段階。ゲーム次第ではもっと大きな作品になると思う。

 

魔女の旅々

 

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 基本的に1話完結で、魔女のイレイナが個性的な国を旅する物語。どの国も個性的で、美しいビジュアルも相まって毎週楽しみにしてた作品。

 

ストーリーは後味の悪いものからコミカルなものまでさまざま。さらに後味の悪さにも、人の死が関わるシンプルなもの、思わせぶりなところで終わる不気味なものと多彩だった。

 

それでも毎週一貫して楽しめたのは、きっと旅人であるイレイナの歯に衣着せぬ物言いと性格が一貫してたから。中心に一貫した人物がいるとそれだけで安心感につながる。だからイレイナはすごいのだ。

 

デカダンス

 オリジナルアニメとして事前の情報を抑え、第1話と2話で種明かしする構成で一気に引き込まれた。そこで燃え尽きるのではなく、3話以降は冒険活劇の様相で盛り上がりを作ったのも良かった。

 

現実とゲームの世界が反対になった、一見しただけではなかなか理解できない世界観。僕も2回見て、公式サイトの解説も見てようやく理解した気になれた。

 

でも理解する以前から面白いと思えたのは、カブラギとナツメの人間ドラマという分かりやすい軸があったから。SFの設定はこのアニメの肝だが、なくても多分楽しめる。そのさじ加減がまず凄い。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

 

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ラブライブだけどラブライブじゃない、新しいラブライブ像を築いた作品。僕はぶっちゃけ今までのラブライブはあまり好きではなかった。あくまでロマンを追い求める理想主義と、それを支えるご都合主義の塊だったから。

 

しかしこの最新作は、「ラブライブなんか出なくていい!」の号令とともに現実主義をひた走る。あくまでも自分たちにとって理想のスクールアイドルを追い求めた。

 

「スクールアイドルがいて、ファンがいる。それでいいんじゃない?」のセリフはその象徴。ファン代表としての高咲侑がいつも中心にいたのも納得。これまでアイドルのためにあったラブライブは、ファンのためのラブライブになった。

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

 

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乙女ゲームのオタクが乙女ゲームの悪役に転生する物語。異世界転生はたくさんあってもこのアイディアはなかなかなかった。いや僕が原作を知らないだけかもしれないけど、アニメとなるとなかなかない。それを男のオタクが楽しめる作品に仕上げているのが嬉しかった。

 

物語は悪役令嬢が回避するため奔走する、コメディ色満載の作品。コミカルな演出は内田真礼さんの声優力に委ねられている部分が多く、見事に応えていた。

 

僕は、声優はアニメを作るスタッフの1人に過ぎないと思っている。でも、このレベルで作品の面白さに直結する例外も確かにある。

2020年ユマ的音楽10選

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King Gnu「CEREMONY」

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その名を全国に轟かせた前作『Sympa』からちょうど1年のスパンでリリースされたKing Gnuのメジャー2ndアルバム。
まずたった1年で作り上げたことが今の音楽シーンから逆行していてすごいことだ。最近は2、3年かかるのが当たり前だし。

 

このアルバム最大の凄さは世間が思うKing Gnuの凄さをそのまま体現しているところだ。ポップミュージックにソウル、ヒップホップ、クラシックまで取り入れるミクスチャーロック。
そんなみんなの心の中にあるKing Gnuを、数々のタイアップソングとともに表現しきった。やりきったのだ。

 

もうひとつKing Gnuの特徴として、転調の多さが挙げられる。それがもっとも力強く発揮されているという意味で、僕は“どろん”でも“白日”でもなく、重々しい4つ打ちから華麗に転調を決めてみせる“飛行艇”こそがアルバムのハイライトだと思う。

 

宮本浩次「宮本、独歩。」

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エレファントカシマシのボーカルとして、30年以上に渡り日本ロック開催重要人物として走り続けた宮本浩次のソロ初アルバム。そもそもソロとしてなにをやるのか、という疑問に満願回答を見せたアルバムだ。

 

全12曲中9曲がタイアップ曲で、中には椎名林檎東京スカパラダイスオーケストラとのコラボ曲もある。
タイアップもコラボも、その中でいかに個性を出すかが課題になるが、聞けば分かる通り見事に宮本の曲になってる。“獣ゆく細道”を聞いて、「椎名林檎の曲」と印象を持つ人は、なかなかいないだろう。

 

こんなにもバラエティ豊かな楽曲をスマートに歌ってみせる宮本は、エレカシ時代はあまり考えられなかった、いや、タイアップ自体はエレカシのときもあったけど。だからこそ、“解き放て、我らが新時代”みたいな、いつもの宮本も強く光り輝く。

 

SHE'S「Tragicomedy」

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フロントマンの井上竜馬が「心」をテーマに作ったコンセプトアルバム。タイトルの「Tragicomedy」は悲喜劇を意味しており、そのタイトル通り喜びも、悲しみも包み込んだ作品。

 

前作「Now & Then」における「Dance With Me」のような決定的なアンセムはないが、むしろアルバムとしてのバランスは高くなった。コンセプトアルバムに主役になってしまう楽曲は必要ない。
ピアノロックで優しさと哀愁を同時に表現した“Letter”、「戦いに負けようとも 続く道があるよ」とバンドの哲学を反した歌詞が印象的な“Your Song”。それも名曲だが、アルバムを構成するパーツとしても機能しているのが素晴らしい。

 

米津玄師「STRAY SHEEP」

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思えば前作「BOOTLEG」は、米津玄師史上類を見ないほど外側に広がった作品だった。たくさんのタイアップ曲があって、菅田将暉池田エライザ、そして戦友初音ミクともコラボして。

 

それから一転して新作の「STRAY SHEEP」は、ゲストボーカルとして参加したのは野田洋次郎くらい。むしろFoorin、菅田将暉へ提供した「パプリカ」「まちがいさがし」のセルフカバーを収録するなど、米津玄師個人にフォーカスを当てている。
外へ広がるのではなく、より内側へ。売り方としてはむしろ逆行していそうなこのアルバムがヒットを記録したことには大きな意義がある。米津玄師は米津玄師のままでいいのだ。

 

あいみょん「おいしいパスタがあると聞いて」

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記事の冒頭、King Gnuの項で「アルバムの制作に最近は2、3年かかる」と書いたが、2020年に限ってはハイペースなミュージシャンが多かった。SHE'Sも、このあいみょんも2019年に続いてのアルバムリリースだ。
あいみょんの場合は楽曲のストックが数百区もあるというのだから、このくらいのペースは造作もないんだろうな。

 

自身が経験したすべての年代、すべてのジャンルを飲み込み、すべての感情を音楽に変換する。自分のものにしているからまったく揺るがない。この強度と靭やかさが如実に現れた名盤。

Vaundy「strobo」

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僕は日本のミュージックシーンにおける天才は3人しかいないと思っている。早川義夫中村一義と米津玄師だ。2020年に突如現れたVaundyは、ひょっとしたら4人目にカウントできるかもしれない。

 

若干19歳にして作詞、作曲、アレンジをすべて自分でこなす破格の才能。自分でこなすだけならほかにもいるかも知れないが、アルバムとして軸を作り、まとめ上げるセルフプロデュースの能力を併せ持つ人はまぁまずいないはずだ。

 

“灯火”の高揚感を煽るサビに始まり、ギターロックとしての“怪獣の花唄”、R&Bとしての“napori”、かねてからMVがバズっていた“東京フラッシュ”も含め、全11曲、たった36分の中で実に多彩な表情を見せてくれる。というか、この人の才能を見せつけるには、たった36分で十分なのかもしれない。

 

そしてアルバムの終盤“僕は今日も ”では「あなたはカッコイイから イケメンじゃなくてもいいんだよ」と歌う。
これって早川義夫が50年以上前に生んだ「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」と一緒じゃん。思想、哲学に至るまで天才のDNAが受け継がれている。やはり破格だ。

 

ЯeaL「ライトアップアンビバレンツ」

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ЯeaLが3年前にリリースした前作「19.」のとき、ボーカルのRyokoは明らかに焦り、苛立っていた。それをすべて言葉に変換したのが、19歳の肖像たるアルバム「19.」。
3年経って22歳になったこのスリーピースバンドが生んだアルバム「ライトアップアンビバレンツ」は、とても大人になった。

 

モダンな言葉遣いは残しつつ、アレンジはギターサウンド一辺倒ではなくなった。メロディーに対する音が一つ一つデザインされるようになった。Ryokoのソロ名義での楽曲という飛び道具まで入っている。

10代のモラトリアムを抜け出して、今出来おることへの可能性を見出した22歳の肖像的作品。

 

宮本浩次「ROMANCE」

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宮本にとって2020年2枚目のアルバムは、昭和から平成にかけての歌謡曲を集めたカバーアルバムだった。収録曲は松田聖子中島みゆき岩崎宏美など、女性シンガーのものがほとんど。

 

エレカシ時代から荒井由実の“翳りゆく部屋”をカバーしたり、“彼女は買い物の帰り道”という歌を歌ったり、女性目線を詩で表現することもあった。カバーアルバムではそんな、エレカシ時代にもあったけど、あまり出せなかった表現を全面に押し出している。
「あくびして死ね」と叫ぶ宮本も、「明日も頑張ろう」と励ます宮本もいない。54歳にして全貌を見せた、新しい宮本の姿だ。


サニーデイ・サービス「いいね!」

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スミスの“The Boy With The Thorn In His Side”をイメージした1曲目から始まるサニーデイ・サービスのニューアルバム。
終始爽やかな演奏とザラザラとしたギターサウンドサニーデイ・サービスらしさが随所に見られる。やってることはとても若々しく、バンドを知らない人が先入観を持たずに聞いても「いいアルバム」と言ってくれそうな仕上がり。

サニーデイ・サービスがデビューしたのは1995年。その後くるりGRAPEVINE中村一義スーパーカートライセラトップスが相次いでデビューした。新たな世代が、新たな時代を作った時期だ。
25年が経って、解散するバンドもいれば、楽曲に変化が見られるバンドもいる。その中で、サニーデイ・サービスらしさを見せてくれたことがなによりも嬉しい。

 

サイダーガール「SODA POP FANCLUB 3」

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2017年にメジャーデビューしてこれが早くも3枚目のアルバム。短期間でどんどん良くなるバンドの姿をダイレクトに反映した作品だと思う。

 

自ら「炭酸系サウンド」と表する音楽は健在で、爽やかな音が10曲も並ぶ。メロディーメイカーとしての彼らの才気を疑うのは難しい。
でもそれだけじゃない。ダンスチューンの側面を見せる“フューリー”やホーンセクションが新しい“クライベイビー”。なによりポップミュージックに意外性を持たせた“週刊少年ゾンビ”はサイダーガールを代表する一曲だ。

2020年12月26日~2021年1月3日の取材記事

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5回もやった『アサルトリリィBOUQUET』のインタビューはこれでラスト
原作であるアクションドール、そしてアニメが生まれるまでを振り返ってもらった
話す前はどんな人なのかとビクビクしていたけど、原作者の方もプロデューサーもめっちゃ喋ってくれる人だった。

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その『アサルトリリィ』の2人よりさらにいろいろ話してくれた『D4DJ First Mix』水島精二監督のインタビュー。個人的には結構面白くなってるんじゃないと思ってる。『D4DJ』をアニメにできるのは多分この人しかいなかった。

 

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『アサルトリリィBOUQUET』『D4DJ First Mix』で合計7つもインタビューして、その裏でこっそりやってた『LIP×LIP FILM×LIVE』のインタビュー。話を聞いたのはHoneyWorksのメンバー3人。
別にこれがLIP×LIPのゴールではなく、これから先も成長し続ける。これが聞けただけで良かったんじゃないかと僕は1人満足してる。