2020年ユマ的アニメ10選

 

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空挺ドラゴンズ

 

 

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テレビ放送と時を同じくしてNetflixで全話配信されたアニメ。最初は「せっかく配信されてるんだから見よう」くらいの気持ちだったけど、結局一気に全部見てしまった。

  

本作は、龍と呼ばれる生物が棲息する世界観を舞台に、龍を狩って生計を立てる「龍捕り」たちを描く群像劇。龍とのバトルも盛大に盛り込まれているけど、スピード感よりも雄大さを感じた。

 

龍捕りたちのキャラも立ってて、ただの脇役と思ってた奴らが意外と前に出てきたりする。ジローとカーチャのエピソードは特に良かった。じっくり描いた甲斐があった。

 

 

 

かくしごと

 

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 さよなら絶望先生』の久米田康治が原作を手掛ける作品。キャラクターデザインも『さよなら絶望先生』っぽさを意識していて、シンプルだけどみんなかわいい。後藤姫もかわいいけど特に墨田羅砂がいい。

  

娘に漫画家であることを隠し通そうとする父と、その娘の日常を描いた本作。漫画家稼業のところに絶望先生ライクなブラックユーモアを残しつつ、むしろメインは父娘の心温まるストーリー。いわゆる日常系にはとどまらない、クライマックスに向けた仕掛けも用意されていて驚きもあった。

 

邪神ちゃんドロップキック’

  

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時期的にはちょうと緊急事態宣言のタイミング、放送延期が相次ぐ中で『邪神ちゃんドロップキック’』はむしろアマプラで一挙に配信してくれた。邪神ちゃんが血中アニメ濃度の低下を防いでくれたのは間違いなく、実際僕は何回も見返した。

 

 邪神ちゃんとゆりねの関係を深く描いた第1期に対して、第2期ではぴのやぽぽろん、ぺこらといった天使側も大胆にフィーチャーされていた。第9話のぽぽろんはまさにその象徴。

波よ聞いてくれ

  

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札幌在住、スープカレー屋で働く鼓田ミナレがワケも分からずラジオDJデビュー。全12話かけてラジオにかける熱量を見せ続けた作品だった。

 

最初はどうやって楽しめばいいか分からなかったけど、1話を見返して冒頭の架空実況を改めて目の辺りにすると、自分もラジオの視聴者という立場になればいいのかと気づいた。それからは見方が一気に変わって、ミナレの一挙手一投足、ラジオ局の一挙手一投足が気になるようになった。

 

 

僕が特に印象的だったのがミナレの息遣い。別に編集できればいいのに、あえて息を吸う音、吐く音もすべてアニメの中に収められていた。間違いなく『波よ聞いてくれ』の世界で、鼓田ミナレは生きていた。

 

 

アクダマドライブ

 

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 ダンガンロンパ』の小高和剛が原案を務めたオリジナルアニメ。カントウとカンサイ、2つに分断された国を舞台に、犯罪者「アクダマ」たちのクライムアクションが描かれる。

 

ひょんなことから事件に巻き込まれ、自分もアクダマとみなされてしまった一般人のキャラクターが際立っていた。一般人は自身を詐欺師と偽りアクダマたちに付いていくが、最初は文字通りついていくだけ。でも徐々に成長し、いつしか本当の詐欺師と言えるくらいの存在になる。一般人の成長譚だと思う。

アサルトリリィ BOUQUET

 

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 オリジナル作品としてのストーリーやアクションもそこそこに、梨璃と夢結を基準に百合の距離感をフィーチャーした作品。距離感はいろいろだけど、梨璃と夢結以上、以下の線引きがあって面白かった。特に1話から近すぎる楓さんが。

 

5話「ヒスイカズラ」は夢結が梨璃の誕生日に向けてプレゼントを用意する、作中では異色の存在。戦いから離れて奔走する夢結と田舎の情景は『そにアニ』第7話を彷彿とさせる、2020年屈指のエピソードだ。

 

 

アサルトリリィは舞台に始まり今回のアニメ、そしてゲームも控えている。会心の出来だったアニメもまだ女装の段階。ゲーム次第ではもっと大きな作品になると思う。

 

魔女の旅々

 

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 基本的に1話完結で、魔女のイレイナが個性的な国を旅する物語。どの国も個性的で、美しいビジュアルも相まって毎週楽しみにしてた作品。

 

ストーリーは後味の悪いものからコミカルなものまでさまざま。さらに後味の悪さにも、人の死が関わるシンプルなもの、思わせぶりなところで終わる不気味なものと多彩だった。

 

それでも毎週一貫して楽しめたのは、きっと旅人であるイレイナの歯に衣着せぬ物言いと性格が一貫してたから。中心に一貫した人物がいるとそれだけで安心感につながる。だからイレイナはすごいのだ。

 

デカダンス

 オリジナルアニメとして事前の情報を抑え、第1話と2話で種明かしする構成で一気に引き込まれた。そこで燃え尽きるのではなく、3話以降は冒険活劇の様相で盛り上がりを作ったのも良かった。

 

現実とゲームの世界が反対になった、一見しただけではなかなか理解できない世界観。僕も2回見て、公式サイトの解説も見てようやく理解した気になれた。

 

でも理解する以前から面白いと思えたのは、カブラギとナツメの人間ドラマという分かりやすい軸があったから。SFの設定はこのアニメの肝だが、なくても多分楽しめる。そのさじ加減がまず凄い。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

 

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ラブライブだけどラブライブじゃない、新しいラブライブ像を築いた作品。僕はぶっちゃけ今までのラブライブはあまり好きではなかった。あくまでロマンを追い求める理想主義と、それを支えるご都合主義の塊だったから。

 

しかしこの最新作は、「ラブライブなんか出なくていい!」の号令とともに現実主義をひた走る。あくまでも自分たちにとって理想のスクールアイドルを追い求めた。

 

「スクールアイドルがいて、ファンがいる。それでいいんじゃない?」のセリフはその象徴。ファン代表としての高咲侑がいつも中心にいたのも納得。これまでアイドルのためにあったラブライブは、ファンのためのラブライブになった。

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

 

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乙女ゲームのオタクが乙女ゲームの悪役に転生する物語。異世界転生はたくさんあってもこのアイディアはなかなかなかった。いや僕が原作を知らないだけかもしれないけど、アニメとなるとなかなかない。それを男のオタクが楽しめる作品に仕上げているのが嬉しかった。

 

物語は悪役令嬢が回避するため奔走する、コメディ色満載の作品。コミカルな演出は内田真礼さんの声優力に委ねられている部分が多く、見事に応えていた。

 

僕は、声優はアニメを作るスタッフの1人に過ぎないと思っている。でも、このレベルで作品の面白さに直結する例外も確かにある。