2021年ユマ的アニメ10選

f:id:yyumaa:20220108225931j:plain

ウマ娘 プリティーダービー Season 2

トウカイテイオーメジロマックイーンを中心にしつつ、ライスシャワーミホノブルボン、そしてカノープスの面々を好敵手として巧みに描いていた作品。主役は間違いなくトウカイテイオーだが、好敵手の力で際立った作品と言えよう。最終話のレース、僕が感情移入したのは間違いなくナイスネイチャのほうだった。

装甲娘戦機

2021年にもっとも驚きをもって迎えられたアニメ。サービスが終わりそうなゲームのアニメ化、キャラクターデザインにそぐわない緊張感のあるストーリー、だけど緊張感のないキャラクター。とても不安定な土台の上に成り立っていたアニメだけど、奇跡的に噛み合い、圧倒的な存在になっていた。クセは強いが、一年に一本あっていいアニメ。

のんのんびより のんすとっぷ

原作の最終巻と同じタイミングで放送されたシリーズ第3期。なんとなくアニメもこれで終わるんだろうなと、どこかうら寂しく見ていたのを思い出す。アニメはそんな寂しさを受け止めて、それでも進んでいく力強さがあった。

しおりやあかねといった新キャラクターは、れんげたちの成長を分かりやすくしてくれた。アニメで描かれていないところでも「のんのんびより」のキャラクターは確実に生き続け、確実に大人になっていったということ。それは同時に、アニメ第1期が始まってから8年も経ったことを痛感させられる。

無職転生異世界行ったら本気だす~

単純なクオリティという点では、2021年でも1、2位を争う作品だと思う。放送前は「"なろう系小説" "異世界転生系ラノベ"のパイオニア」という触れ込みが頻繁に使われたけど、なるほど大見得を切るのも納得の出来だ。

この世界にはたくさんの人、たくさんの種族がいる。だからルーデウスはいろいろな出会いと、別れを経験する。ドラマチックなものばかりでなく、割とあっさり分かれることも。それはつまり、この世界が途方もなく広いことの証左なのだろう。だからロキシーとの再会を果たせなかったのも、納得がいく。

スーパーカブ

カブに乗るというだけで『ゆるキャン△』フォロワーかと思ったら、主人公の女の子・小熊が想像以上にダウナーだった。そのおかげで『ゆるキャン△』どころか、他のどのアニメとも違う緊張感があった。

もちろんそれだけじゃない。小熊が笑った瞬間、幸せそうな瞬間に見せる表情のギャップは最高だし、礼子や椎を惹きつけるのも頷ける。

 

結局このアニメは、小熊の感情に左右される物語だった。小熊が成長するたびに彩度が上がり、色鮮やかになるのもそのせいだろう。

Vivy - Fluorite Eye’s Song-

AIとタイムリープ、テーマ自体はよくあるものだし、決して驚くような展開でもなかったけど、非常に丁寧に描いていた。特に序盤は2話でひとつのエピソードが完結する作りになっており、そのタイミングでの人間とAIの関係性がきっちり分かるようになっていた。なんだか1時間のテレビドラマを見ているよう。

 

時間の流れがとても重要な作品で、全13話に無駄がない。だからこそ、総集編として作られた第14話「To make everyone happy with my singing」もとてもすっきり見れる。

ラブライブ!スーパースター!!

どんどん良くなる「ラブライブ!」。初期の『ラブライブ!』『ラブライブ!サンシャイン!!』は理想を実現させるためのご都合主義が多く、キャラクターもどこか特別だった。

潮目が変わったのが『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』。アイドルという存在との付き合い方に変化が生まれ、グッと現実的になった。今回の『スーパースター!!』でもその路線は健在。どこかシニカルな主人公かのんも、感情的なセリフの中にもロジカルな一面を覗かせる可可も、現実が見えていて、それに抗っていた。アイドルというより、ロックだった。

takt op.Destiny

ぶっちゃけ今後配信されるスマートフォンアプリへの誘導というのが、少なからず至上命題としてあったはず。そんな制約を守りつつ、しっかりとロードムービーしたのが「takt op.Destiny」の凄さ。

そう、中盤のロードムービーっぽい作りにできたこと自体がまず凄いのだ。スマートフォンアプリのアニメ化というと、バトル、バトル、バトルの連続になりがち。本作もバトルが頻繁に発生するのは事実だが、そこに車での移動や街でのひとときを挟むことで、テンポを生み出していた。アプリの配信前にアニメを作れたことも含めて、しっかり二人三脚で作れたんだろうな。

かげきしょうじょ!!

この音とまれ!』といい、キングレコードは予期せぬところから一大青春抒情詩を生み出す。

劇団員の育成を目的とした「紅華歌劇音楽学校」を舞台に、トップスターを目指す歌劇少女たちの奮闘を描くこのアニメは、2021年最大の熱量で土曜の夜を華やかにした。

講義がそのまま熾烈な競争にもなる学校は辛いことばかり。でも悪いことばかりじゃない。第5話、男子禁制の寮で先生が見せた熱弁で、これはいいアニメだと確信した。

オッドタクシー

オリジナル作品であることの長所を活かした快作にして怪作。こういうのが生まれるからアニメは面白いんだと、胸張って言える傑作。

 

セイウチの姿をしたタクシードライバー・小戸川宏を中心に、都会の喧騒の中巻き起こる事件を描くサスペンス。

物語は小戸川のタクシーから描かれる。乗客の何気ない会話が事件に繋がり、やがて大きな渦になり、小戸川自身も巻き込まれる。

 

サスペンスであり群像劇であり、そして動物たちの物語でもある。目に見えるものすべてに意味がある。やたらクオリティの高いサウンドや声優陣の演技も含め、2021年を代表する作品のひとつ。

 

歴代ユマデミー賞一覧

2007:スケッチブック ~full color's~
2008:ARIA The ORIGINATION
2009:化物語
2010:神のみぞ知るセカイ
2011:魔法少女まどか☆マギカ
2012:人類は衰退しました
2013:てさぐれ! 部活もの
2014:SHIROBAKO
2015:落第騎士の英雄譚
2016:ガーリッシュナンバー
2017:月がきれい
2018:宇宙よりも遠い場所
2019:グランベルム
2020:邪神ちゃんドロップキック’
2021:オッドタクシー